2015年6月6日土曜日

読者からの質問「今、話題になっている水蒸気の件で何か先生は仰っているのでしょうか?」への入口先生のお返事をShareします

たった今、私のブログ読者の方からご連絡頂きました。信頼の置ける方です

これは、南相馬のかたが、何度も近くにいってキャスしてますが、海の近くなので霧だそうです。追記終わり

先ほど、Twitterで、私のブログに、以下の質問を頂きました。

読者からの質問
入口先生の回答をシェアして頂きありがとうございます。今、話題になっている水蒸気の件で何か先生は仰っているのでしょうか?ブログを拝見し直しましたが見当たらず、見逃してしまったのではないかと思い、お聞きしました。ネットで上がっているのを見ると凄い水蒸気なので
お手数おかけします。ありがとうございます。私では知識がなさ過ぎて質問すらできません。ブログのその箇所は格納容器から漏れている放射性物質のことですね。水蒸気は地下のデブリが地下水や海水に触れて出てきているとされていますよね。回答お待ちしております。


ネットで上がってる凄い蒸気ってリンク下さい。いつのどの映像のことですか?
先生に渡して観て頂きますね。さっきの質問ですが、どなたが「水蒸気は地下のデブリが地下水や海水に触れて出てきているとされていますよね。」と仰ってるんですか?

読者
私が見たのは飯山一郎さんのブログやそこに寄せられている投稿などです。
飯山一郎さんのブログで6月4日あたりは特に書かれています。
いろいろあるんですが、これで見られると思います。

入口先生からのお返事
次の動画につきましてコメントを求められたことがあります。 他にも似たような動画を見たことがあります。        「動画は、2015年3月20日の夜半の連続爆発の模様だ。  https://www.youtube.com/watch?v=LmPXnKWuphg  激烈な水蒸気爆発が連続的に発生している。  本格的な大爆発の前触れ的な状態と飯山一郎は考える」 という動画でした。      それに対する私(入口紀男)のコメントは、 「ビデオの映像は、2015年3月20日福島第一の2号機(建屋が比較的に原型をとどめている)の周辺の映像として作成されているようです。  このビデオ映像が現場を撮像した映像であるにしても、18:17ごろから19:27ごろまでの約70分間の変化を記録した映像のようです。このビデオ映像は約60倍のスピードで早送りされています。  先ず、原作者の飯山一郎さんが言われるようにはこの時間帯(18:17-19:27)は必ずしも「夜半」とは言えず、より正確には「夕刻」または「宵の口」であるようです。
 一見する限り、自然の「霧」が空中で普通にゆっくりと立ち込めたり晴れたりするのを「早送り」で見ているようです。また、よく見ると「水蒸気」は必ずしも地表などから生じていないようです。さらに、「水蒸気爆発」にしては地面や建屋のどこからも「吹き出し」がないようです。  なので、このビデオ映像だけで「水蒸気爆発」と断定することは困難なようです」 でした。


以上、入口先生からのお返事です。

追記

福島原発からの「水蒸気は地下のデブリが地下水や海水に触れて出てきているとされていますよね。」 これって、何か根拠はあるんでしょうか??入口先生からのお返事



「水蒸気は地下のデブリが地下水や海水に触れて出てきているとされていますよね。」 これって、何か根拠はあるんでしょうか??

入口先生
根拠はないと思います。  ある疑問についてについて一定の解答を与えるには「証拠」と「根拠」があって、「証拠」と「根拠」とは異なるものです。
 物事がこうであると「断定「するには「証拠」が必要です
 一方、人間の脳はあれこれ考えて「想像」することができます。「当然の想像」をもたらすものは「根拠」と呼ばれます。 
「根拠」があると、物事はこうであろうと「推定」するすることができます。  でも、推定は、「反証」という「証拠」によってくつがえされます。  福島第一原子力発電所の1~3号機でデブリは発熱しています。それがすでに圧力容器の中にないことは確認されていますが、どこにあるかは誰にも分かりません。
格納容器の底の上にあるのか、それとも底の下にあるのかもわかりません。
誰にもあれこれ「想像」はできるでしょう。
 でも、デブリはたとえどこにあるかは分からなくても、毎日300トンの水によって冷却されていますから、水が突然沸騰して水蒸気を地上に噴出する状態にありません。
 特に「水蒸気爆発」とは、高温の、大きな質量をもったデブリが水に触れて一瞬の「焼き入れ」となって大量の水蒸気が発生するものであり、何時間もだらだらと続くものでありません。
   デブリを水で冷却し続けていていても、何らかの拍子に水中で再臨界を起こしたりした場合に、新たな核反応生成物(塩素38など)の環境への飛散を伴って水蒸気が噴出する事態は、デブリを取り出さない限り、これから100万年間あり得ます。
 たとえば、2015年3月20日の「宵の口」に福島県双葉郡大熊町、双葉町は広い範囲で濃い霧に覆われていたことが分かっています。

それが「水蒸気爆発ではないか」と疑ってみることは必ずしも無意味とは言えません。

最初に事実として公表することには「注意を喚起する」という意味で価値があるといえます。

でも、それに故意に手を加えたり、

誤った解釈を加えたりして公表すると、

社会に不要な混乱や不安を与えてしまったりしますから

公表する人にはそれだけの自覚と節操が必要です。


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