2016年12月20日火曜日

熊本大学入口名誉教授「仮にその140トンが新たに核分裂連鎖反応を起こすと、広島原爆約7千発分の放射能が新たに環境に出て来るものと思われます。」

結論を先に書きます。

格納容器が大地震などで倒壊し、あるいは敷地の液状化(沼地化)で傾き、格納容器の底部や、液状化した大地とのすき間で「大気開放炉」(Open-Air Super Reactor)なって核分裂連鎖反応を起こすと、「311」をはるかに凌ぐ大惨事となり、国土が広い範囲にわたって人が住めなくなることが起こり得ると考えられます。

使用済み核燃料プールと格納容器は別物です。   「スカイシャイン」の詳しいお知らせを有難うございました。 「スカイシャイン」の定義として「放射性物質を内包している建屋天井を通過して施設の外部へ漏れ出た放射線が、施設上方の空気で散乱されて地上に向かう放射線のこと」とは、環境へ出た放射線のうち宇宙の彼方へ行ってしまわないすべての放射線のことですからこれは、今後起き得るすべてのリスクを含んでいますね。 東日本に飛散した放射能汚染も、すべて「スカイシャイン」によるものであったと言えます。

 使用済み核燃料プールの使用済み核燃料が高温で蒸発して「スカイシャイン」のリスクをもたらすことは、前記しましたようにもうなさそうです。

 格納容器が傾いて、底辺あるいはその地下にある溶け落ちた核燃料は、これから核分裂連鎖反応を起こす可能性があって、すき間からむき出しになった状態でそれが起きると、そのとき「スカイシャイン」の大きなリスクがあるものと思われます。

以下は、入口先生へご質問した私と入口先生からのお返事の詳しいやりとりです。

入口先生のFacebookの投稿で、コメント欄の質問に対する、入口先生の回答に、以下の記載があったので、この「別の危険」について、兼ねてからTwitterやネット上の個人のブログで取り上げられている「スカイシャイン」なるリスクのことなのかな?と、私は物理はド素人なので、再び気になりだしまして、見当違いな質問を入口先生のページでして、他の方々の不安を煽ってもご迷惑かと思って、入口先生にメッセージで質問してみました。



  • 入口先生 毎度の質問で恐縮ですが(大地震や敷地の液状化が起きて原子炉が倒壊し、使用済核燃料棒がむき出しになる)と云う箇所ですが、原子炉が倒壊と云うのは1-3号機の原子炉建屋が倒壊と云う事ですよね、1-3号機の建屋が崩れたら、三つの建屋の上階に在る使用済核燃料が地上に落下して空気にむき出しになると云う意味ですよね、するとデブリの取り出しも急務ですが、それより急を要するのは1-3号機からの使用済核燃料棒の取り出しですよね、しかしこの作業は1-3号機が線量が高過ぎてヒトが近づけないから、今の技術では人間の作業では取り出せないと云う理解で良ろしいでしょうか? しかし次の大地震が関東や東日本を襲ったら1-3号機の建屋は崩壊しますよね。
    入口さん、この点についてご見解ください。
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  • Norio Iriguchi 鈴丸さん、コメントを有難うございます。
     福島第一原発の敷地は海抜40メートルの岸壁を12メートルまで削ってつくったので地下水脈が浅い土地です。大地震や液状化で、建屋だけでなく原子炉(格納容器)自体が倒壊する危険があると思われます。
    http://rt.com/op-edge/tepco-fukushima-sea-water-reactor-194/

  •  格納容器は真横に倒壊しなくても、何度か傾いただけで格納容器の底面と構造基盤の間にはすき間が生じて、溶け落ちた核燃料がその隙間からむき出しになる可能性がありそうです。
  • それは私の記事の主題の「呼吸」とは別の危険です

私:ここの部分ですが、このリスクは、よくネット上で危険を煽っているブログで言われている、スカイシャイン現象が起こるリスクを指していますか?知らないと恐いので、きちんと知って覚悟をしていきたいと思います。
未だにスカイシャインのリスクは残っているのでしょうか?宜しくお願いします。

以下、入口先生からのお返事です。

Norio Iriguchi
昨年4号機建屋のプールから全ての使用済み核燃料が取り出されました。

ですから4号機で「スカイシャイン」(誰かの造語?)と呼ばれるようなことが起きることはもうありません。  残る1~3号機建屋の3階にある使用済み核燃料プールにはそれぞれ392体、615体、566体の使用済み「核燃料集合体」が水に沈められていますが、その1~3号機につきましても、「スカイシャイン」のようなことがおきるようなことは、以下申し述べます通り、もうありません。      未使用の核燃料は、ウラン235(濃度約4パーセント、他は何もしないウラン238)の、直径約1センチ、長さ約1センチの円筒形の小さな「ペレット」というかたまりでできています。未使用のペレットは手で触ることができます。  このペレットを「ジルコニウム」という長さ約4メートルの細い金属のパイプ(さや)に約350個詰めたものを「核燃料棒」といいます。ジルコニウムは1800℃程度の高温に耐えます。  核燃料棒を約80本、ステンレス製の、約10センチ角で長さが約4メートルの蓮根のように穴が開いた容れ物のに通したものを「核燃料集合体」といいます。ステンレスの容れ物は900℃程度の高温にしか耐えません。一つの核燃料集合体は約300キログラムあります。  核燃料集合体は、空気中では何も起こしませんが、2本以上の核燃料集合体を水の中で2~3センチに近づけると核分裂連鎖反応が起きて水は高温となり、あるいは沸騰します。これが原子炉の原理です。核分裂連鎖反応にはこのように水が必要です。でも、核燃料集合体は、水の中であっても5センチ以上離すともう何も起きません。  核燃料集合体は、使用済みになると1体あたり広島原爆約10発分の放射能をもっています。水からひき上げると周囲数十メートル以内の人はばたばたと死ぬでしょう。そのように、水には放射能を封じ込めるという働きもあります。なので、使用済み核燃料プールでは水の中に沈めてあります。使用済み核燃料プールでは安全のためにさらにそれぞれの使用済み核燃料集合体を10センチ以上離して沈めてあります。        使用済み核燃料プールが設計上やむなく建屋の3階に設けられていることにはリスクが二つあります。そのリスクとは、  1. 地震や老朽化でプールに万一ヒビが入り、水が抜けると、あるいは、建屋が地震などで崩れ、使用済み燃料集合体が地上に落下して散乱すると、そこから周囲に放射能を放つこと。  2. 使用済み核燃料集合体が、仮に周囲に水がなくなり、核分裂連鎖反応は起こさなくても、相互に接触して高温となり、1800℃を超えると、ジルコニウムのさやが溶け、中から放射性物質が気体となって環境に出て来て東日本一円は人が棲めなくなること。

 上記1.のリスクは周囲の数十メートルでは危険ですが、福島第一原発の敷地の外では、厳重な注意は必要ですが、もう危険はほとんどありません。  上記2.のリスクが「スカイシャイン」なのでしょうが、事故から4年を経過した現在、1~3号機の3階にある使用済み核燃料集合体は、それぞれの温度が使用直後よりは数十℃程度に低下しており、地震や老朽化でプールに万一ヒビが入り、水が抜けても10センチ以上離れており、また、建屋が地震などで崩れ、使用済み燃料集合体が地上に落下して散乱し、あるいはそれによって万一相互に接触しても、異常に高温とならない程度に下がっておりますから、1~3号機につきましても、「スカイシャイン」のようなリスクはもうありません。

私:先生、お返事ありがとうございます。スカイシャインについては、検索するとこういうサイトも出てきます。

スカイシャイン(skyshine)とは

地上の放射線源から、上方に放出された放射線のうち、大気により散乱され地上に戻ってくるもの。 


〒319-1188 茨城県那珂郡東海村白方白根2-22 東京大学大学院工学系研究科原子力専攻 phone : 029-287-8400(ダイヤルイン案内) fax : 029-287-8488 ホームページより http://www.nuclear.jp/~kyodo/report/0025/K/21K-13.pdf

だから余計に、素人は恐くなるのかもしれません。みんな検索して調べているので。

でも、もう、こういったスカイシャインというリスクはもう殆ど無いのですね?


そうなると、この、別の危険とはどういったリスクでしょうか? 300km圏内からは直ちに逃げ出さないとならない危険でしょうか?

格納容器は真横に倒壊しなくても、何度か傾いただけで格納容器の底面と構造基盤の間にはすき間が生じて、溶け落ちた核燃料がその隙間からむき出しになる可能性がありそうです。 それは私の記事の主題の「呼吸」とは別の危険です。

この核燃料プールと格納容器は別のものですよね?

以下入口先生からのお返事です。

使用済み核燃料プールと格納容器は別物です。   「スカイシャイン」の詳しいお知らせを有難うございました。 「スカイシャイン」の定義として「放射性物質を内包している建屋天井を通過して施設の外部へ漏れ出た放射線が、施設上方の空気で散乱されて地上に向かう放射線のこと」とは、環境へ出た放射線のうち宇宙の彼方へ行ってしまわないすべての放射線のことですからこれは、今後起き得るすべてのリスクを含んでいますね。 東日本に飛散した放射能汚染も、すべて「スカイシャイン」によるものであったと言えます。

 使用済み核燃料プールの使用済み核燃料が高温で蒸発して「スカイシャイン」のリスクをもたらすことは、前記しましたようにもうなさそうです。

 格納容器が傾いて、底辺あるいはその地下にある溶け落ちた核燃料は、これから核分裂連鎖反応を起こす可能性があって、すき間からむき出しになった状態でそれが起きると、そのとき「スカイシャイン」の大きなリスクがあるものと思われます。

家族へ(私は自分の個人ブログは、殆ど、家族との連絡用に使ってます。
私自身の携帯電話は考えがあってガラケーのままなので、他機種を使っている家族との間では、文字制限があって書ききれないことが多いので)

入口先生への質問は未だ、続いてます。

入口先生は、御用学者なんかじゃありません。(Twitter上で匿名で入口先生を侮辱し続ける愚か者たちへ)


入口先生は、優れた科学者の前に、人として、尊敬できる、大変誠意のおありな素晴らしい先輩です。

私は、そのことについては、ネット上で(Twitter上で)匿名で入口先生を御用学者呼ばわりして中傷を続けている人たちからの発信に私の家族は騙されないようにして欲しいです。
これは家族への言葉です。
他人様がネット上でどの専門家からの情報を信じるかは各々の自由。あたりまえです。他人様の判断基準にするかは、其々の責任であって、お互いに、自由ですからね。
入口先生や私や私の家族まで侮辱を続けてなお、未だにTwitter上でしつこく別アカウントから嫌がらせを続ける彼らは一体何を目指しているのでしょう?しかも、自分たちからいきなり入口先生を詐欺呼ばわり・御用呼ばわりをして石をぶつけてきて、今度は私に「火炙りにされている」と被害妄想な嫌がらせを繰り返し続けています。随分暇なんですね。


  • 私から入口先生へ 更に質問: 記載に支障がありましたら、仰ってください。直ぐに訂正、もしくは削除します。

  • このリスクが生じたときは、福島原発間近かのみならず、首都圏含める300km(250km?)圏内で人間が例えば心筋梗塞を起こしたりして即死したりするようなレベルのものなのでしょうか?
  • 311以降に起きたことと同じようなことになるに過ぎないんでしょうか?
  • そうしたら倒れない人たちには気付けませんね・・。

入口先生のお返事待ちです。


たった今、お返事頂きました。

Norio Iriguchi
1~3号機には格納容器の下部に核燃料が溶け落ちましたが、それは底面の上にとどまっているのか、それとも地下にもぐっているかは誰も見ておらず、分かりません。

溶け落ちるとはいっても数十気圧の圧力容器の中から数圧以下の格納容器の底に溶け落ちたのですから、溶け落ちるとき噴出されて散らばっているのかもしれません。  これまで1~3号機から環境に出た放射能は広島原爆168発分でした(日本政府が2011年にIAEAに報告した量)。あるいは384発分でした(イギリスの「ネイチャー」)。

飯館村や福島県全域をはじめ東日本を汚染したのは全体の約16パーセントでした。  1~3号機で溶け落ちた核燃料のおよそ半量の約140トンは未使用であったと推定され、なので、これから100万年の間、核燃料の溶け落ちた形状、水の存在などによってはいつでも核分裂連鎖反応を起こし得ると推定されます。

仮にその140トンが新たに核分裂連鎖反応を起こすと、広島原爆約7千発分の放射能が新たに環境に出て来るものと思われます。  すなわち、格納容器が大地震などで倒壊し、あるいは敷地の液状化(沼地化)で傾き、格納容器の底部や、液状化した大地とのすき間で「大気開放炉」(Open-Air Super Reactor)なって核分裂連鎖反応を起こすと、「311」をはるかに凌ぐ大惨事となり、国土が広い範囲にわたって人が住めなくなることが起こり得ると考えられます。

以上、熊本大学入口名誉教授に私が質問して、入口先生に、「素人である私に解り易く、噛み砕いて」お答え頂いたものを、コピーペーストしてここに、共有します。(入口先生からは快諾を頂いてます)
対話の中で、入口先生から頂いたお言葉が心に響きました。
Norio Iriguchi
助けてあげられるのは神様だけです。人間には神さまになれない悲しさがいつもあります。でも、祈ってあげることだけはできるかもしれません。

2016年12月18日日曜日

熊本大学入口名誉教授 日本の地下水脈からの放射能分布図を発見について

入口先生
自動販売機のペットボトルや缶ジュースなどは、地下水であれ河川水であれ、1リットルあたり10ベクレル以下です(国の基準)。この放射能値は極めて高いと私は考えています。たとえば太平洋の海水は1,000リットルあたり2、3ベクレルです。
地下水がわずかに放射能を含み、その分布図が存在することは当然です。
日本政府がそのデータを国民に知らせないでアメリカに提供している事実があったとしても、(SPEEDIがそうだったのですから)驚くべき新しい事実でありません。それは問題です(社会正義に反します)。(SPEEDIを国内で早く公表して対策を講じていたら、飯館村などは被爆をもっと減らせたかもしれません。)
鳥取県の三朝(みささ)温泉などは年30ミリシーベルトの「高放射能温泉」であり、日本の各地の地下水が高い放射能を含んでいることは昔からよく知られています。それは日本各地だけでなく、日本周辺のたとえば東北沖の海底などにもかなりの数の「放射性熱水鉱床」があって放射能温泉が湧いています。それは311以降ではありません。縄文石器時代以前からです。核を用いた人工地震の痕跡ではありません。それらも、少しも驚くべき新しい事実でありません。
 原子炉から国の基準以下の放射能が環境に出ても、それは放射能が(地下水などに)漏れていることになりません。原子炉が稼働する40年の間に半減期が長い放射性物質によって地下水はそれなりに汚染されるでしょう。 
井口和基は、「核を用いた人工地震」などと言って無知な人びとを扇動し、学校教育(中学・高校の「理科」の教育)を受けた日本人の間で信用を失っている人などもいるように私には思えます。

2016年12月11日日曜日

熊本大学入口名誉教授に中は100兆ベクレル!地震で不安視される原発排気筒の倒壊リスクについて伺ってみました

中は100兆ベクレル!地震で不安視される原発排気筒の倒壊リスクについて伺ってみました

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161205-00010002-jisin-soci

入口先生にお話を伺ってみました。


先生、このお話はご存知ですか?
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-14581.html

入口先生
存じています。


倒壊した場合、関東にも311の時のような相当に影響は出るのでしょうか?
排気塔倒壊=デブリには「未使用」のウラン燃料が含まれていますので、敷地が液状化したり沼地となって建屋や原子炉が倒壊し、格納容器の底部や、液状化した大地とのすき間で「大気開放炉」(Open-Air Super Reactor)なって核分裂連鎖反応を起こすと、「311」をはるかに凌ぐ大惨事となり、国土が広い範囲にわたって人が住めなくなることが起こるかもしれません。 こういうことを意味するのでしょうか?

入口先生
「100兆ベクレル」とは、およそ「広島原爆1個分」です。
 311では「広島原爆168個分」の放射能(セシウム137換算)が環境に出ました(日本政府が 2011年8月26日IAEA に報告した値)。その約18パーセントが国土を汚染し、残りの82パーセントが太平洋などの北半球に流れました。
排気塔が倒壊すると100兆ベクレルの粉塵は環境に出るかもしれません。倒壊しても、それを原因として未使用の核燃料が水中で「大気開放炉」として核分裂連鎖反応を始めるとは限りません。


2016年12月7日水曜日

熊本大学入口名誉教授「福島第一原発の敷地は高台であったところを海抜12メートルまで削った土地なので地下水脈が浅く、液状化しやすい土地です。沼地になったら石棺を建造することは困難でしょう」

追記
「チェルノブイリは象の足が出来たので石棺出来ました。フクイチのデブリは生きているので石棺は不可能でしょう」は、一理あると私も思います。  福島第一では、運転時には未反応の核燃料を水中で数センチに近づけることによって核分裂連鎖反応を起こさせていました。福一のデブリには未反応の燃料が含まれています。周囲に水があると、水を中性子減速材として連鎖反応が起きる可能性があります。デブリを取り出さないかぎり、その可能性はこれから100万年あるでしょう。連鎖反応が起きてしまったらそれを石棺で封じ込めることはできませんね。福一では冷却水を注入していますが、「水で連鎖反応を引き起こさないように、水で行う冷却」なのですから、紙一重の作業ですね。  一方、チェルノブイリは水を使わない黒鉛炉でした。チェルノブイリのデブリ(象の足)の周囲には水はありません。地下にもコンクリートを流し込んで、地下水とも遮断されています。なので石棺を建造することができました。チェルノブイリの象の足も仮に地下水があるとそれに溶け出して濃縮され、水中で連鎖反応を起こす可能性はあるのですが、現状の石棺が数世紀もちこたえると、そのころデブリの放射能も広島原爆数発分に減少するでしょうから、数世紀後の子孫に取り出しを託することができるでしょう。

以上追記

1~3号機はメルトスルーによって圧力容器が壊れています。  圧力容器が最後に壊れたのは2011年3月14日22:50でした。2号機の圧力容器が設計耐圧「90気圧」を超えて、日本人は「圧力破裂」による東日本喪失の危機を迎えていました。翌3月15日6:00にメルトスルー(炉心貫通)が起きて圧力容器も格納容器も破損して1気圧となり、日本人は「圧力破裂」を免れました。ただ、このとき広島原爆「153発分」の放射能(セシウム137換算)が環境に飛散し、飯館村ほか東北・関東の大量の汚染がこのとき起きました。もしあのとき2号機の「圧力破裂」が起きていたら、1~3号機から少なくとも広島原爆1万発分の放射能が環境に出ていたでしょう。  これから(圧力容器も壊れていますから)圧力破裂が起きることはありません。また、あれから5年半経っていますから、原子炉の下のデブリも自己崩壊熱はかなり下がっており、冷却水が1日くらい途切れても原子炉の下の岩盤を溶かして地下へ落下していくだけの発熱量は少なくなっていると思われます。  ただ、デブリには「未使用」のウラン燃料が含まれていますので、敷地が液状化したり沼地となって建屋や原子炉が倒壊し、格納容器の底部や、液状化した大地とのすき間で「大気開放炉」(Open-Air Super Reactor)なって核分裂連鎖反応を起こすと、「311」をはるかに凌ぐ大惨事となり、国土が広い範囲にわたって人が住めなくなることが起こるかもしれません。 「使用済核燃料」と「デブリの使用済成分」から環境に出てくるかもしれないセシウム137もこれから3世紀経てば千分の1に減少しているでしょう。そのときは、日本人もデブリを遠隔技術などで取り出せるかもしれません。  福島第一原発の敷地は高台で会ったところを海抜12メートルまで削った土地なので地下水脈が浅く、液状化しやすい土地です。沼地になったら石棺を建造することは困難でしょうね。