2018年11月7日水曜日

熊本大学名誉教授入口先生に電磁波の生体への影響についてご教授頂きました。

電磁波の生体への影響について世界が認める第一人者は、私でなく、私の指導教授であります上野照剛・東大名誉教授です(いま故郷の福岡にお住まいです)。
 しかし、私から簡単にコメントを申し述べますと、電磁波の生体への影響は「刺激作用」と「発熱作用」です。
 このうち「刺激作用」は強力な電磁波兵器などからの電磁波を浴びて(電解液からなっている人体に電流が流れて)感じるもので、我われが日常生活で遭遇することはありません。
 もう一つの「発熱作用」は、これを利用したものが電子レンジです。
 電子レンジでは、24億5千万ヘルツ(2,450メガヘルツ)の600ワットくらいの電磁波を水に照射します。その電磁波は眼に見えませんが、光のように直進性があり、また、金属の板や目の細かい金網で反射します。電磁波は電子レンジ(金属の板や金網でできた箱)の中で反射を繰り返しながら直進しますが、「波」なのですから山(プラス)と谷(マイナス)があって、このプラス・マイナスが 1秒間に24億5千万回、直進し、反射されながら変化します。
 水は水素原子核(H+)2個と酸素原子核(O-)1個が結合したものですね。
 そのように水は小さな乾電池のようにプラス(水素原子核)とマイナス(酸素原子核)の二つの電極をもつ「双極子(そうきょくし)」と呼ばれる微小な分子です。この双極子(水の分子)1個は 電子レンジの中で1秒間に 24億5千万回という高速で反転します(時計回りに回ったり反時計回りに回ったり)。
 コップ一杯の水(180グラム)には6億京もの水の分子があって、それらが互いにぶつかり合いながらそれぞれ反転しますのでその摩擦で熱が発生します。
 600ワットでは 1秒間に 144カロリーの熱が発生します(144グラムの水は温度が 1秒間に 1℃上がります)。
 以上が電子レンジの原理です。
 携帯電話を耳に近づけて電磁波を送受信すると、耳の近くにはそのすぐ近くの脳細胞の中にも水があるので、長時間通話をすると耳の近くの脳細胞の温度が上がり発がんにつながるのではないかと懸念されて来ました。
 2011年5月に国際がん研究機関(IARC, International Agency for Research on Cancer)は2000-2004年に診断された2708人のグリオーマ(悪性脳腫瘍)患者と2972
人の健常者についての調査報告を行い、携帯電話を累積で 1,640時間以上使用した群では、携帯電話を使用したことがない群に比べて、悪性脳腫瘍であるグリオーマの発生が
1.40倍であると報告しました。
 携帯電話各社は微弱な電波で送受信できるように送受信感度の格段の向上に努めており、現在は2000-2004年当時に比べて発がん性は格段と低下している上、基準を設けて製造販売規制も行われていますので、発がんの懸念は少なくなっていると私は考えています。それでも、携帯電話にはイヤホンを付けて耳からなるべく離して使うのがよいのではないかと私は感じています(私自身はイヤホンを使っていませんけれど)。
 以上申し述べましたように、「刺激作用」と「発熱作用」だけです。

総務省 http://www.soumu.go.jp/soutsu/tokai/denpa/jintai/
のページが参考に値するのではないかと感じます。

草の根の世界ではそれでもビジネスになっていることに心がふと立ち止まります。

電磁波のない家に改造して「刺激作用」と「発熱作用」を避けても、証拠として眼に見えるほどの効果はないのではないかと私は感じます。


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