2015年8月30日日曜日

熊本大学入口紀夫名誉教授  「対立の構図」をあおっているが、竹島はすでに失われている

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 「対立の構図」をあおっているが、竹島はすでに失われている
      
 竹島について、日本も韓国もそれぞれ「自国の領土である」と主張しています。日本が「専守防衛権」を行使して竹島を制圧しても、韓国はそれを「侵略」だと主張するでしょう。

 竹島が日本に帰属することについて、日本に有利な幾つかの証拠がないわけでありませんが、それを決める最後の権原は日本にはなく、「ポツダム宣言」までさかのぼって、米・英・ 中・露が決めます(それ以前の歴史的経緯などはすべて白紙です)。「日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルヘシ」(ポ宣第8条)
 現時点で最も新しい前記連合国の「国家元首」の「意思」としては、ブッシュ大統領が2008年7月に米政府機関の米地名委員会に対して竹島を韓国領とするよう指示しています。

 2012年8月に李明博大統領が竹島に上陸したとき、野田内閣(民主党)は「国際司法裁判所」(IC)で決着するよう韓国に提起しましたが、韓国は拒否。その場合に日本は一方的に提訴できます。
 でも、野田内閣はすぐに(同年12月)安倍内閣(自民党)にとって替わられ、安倍内閣は提訴しないで今日に至っています。
 提訴すべきでしょう。提訴「しない」ためには、そのための「合理的な理由」が必要です。その理由がなければ、何年か後に今さら提訴しても、それまで訴権を放棄していたとみなされ、それだけの理由で竹島を失うでしょう。
 安倍内閣は隣国の脅威をあおりますが、提訴しない安倍内閣には、竹島を本気で取り返す意思は最初からなさそうです。

 安倍内閣がとった政策は、中学校の学習指導要領を変更し、今年(2015年)から社会科の全教科書20点に「竹島は日本固有の領土」と記載させたことです。
 両国民とも(少なくとも日本は)そのようなことをしないで、国際司法の場で正面から戦うべきでしょう。その結果、勝っても負けても、それぞれの国民は納得するでしょう。
 安倍内閣が竹島を本気で取り返そうとせず、それを単に「肴」(さかな)に「対立の構図」をあおり、「愛国心」に利用しようとしても、国民にできることは限られています。国防軍を創設しようとする現政権政党に期待を逆手に取られて、それを支持したり、投票したりすることだけでしょう。それが安倍内閣の目的なのでしょう。

 野田内閣が韓国に対してせっかく国際司法裁判所(IC)に提訴できる状況をつくったのに、その後安倍内閣によって提訴しないまま3年も放置されて、竹島はすでに失われています。

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