2018年6月8日金曜日

熊本大学入口名誉教授のトリチウムについての見解

入口先生
入口紀男です。お疲れさまです。
私がトリチウムについて危惧しておりますことがさらに二つあります。
一つは、水(H2O)がヒトの体重の大部分(三分の二)を占めること。トリチウムがその水と入れ替わると、たとえパーセンテージは低くても大量であることです。
もう一つは、DNAはたんぱく質ですが、それは炭素(C)、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)でできています。トリチウムが単なる水として排泄されるのでなく、水素(H)と入れ替わってDNAを構成し、DNAレベルで被ばくが起こり得ることです。
トリチウムを「霧として肺に吸い込むこと」と「経口摂取すること」をなるべく避けるのがよいと私は考えています。理由は前述しましたように発がんやDNA損傷の恐れがあると考えられるからです。
 ヒトは一個の受精卵という万能細胞が細胞分裂を繰り返して心臓になったり、骨格筋になったり、脳になったりして約60兆個の細胞からなる個体となったものです。特に精子や卵子、受精卵の段階でDNAの水素原子がトリチウム原子で置き換わる(成りすまされる)と、その後私も考えたくもないようなことが起きるでしょう。
 川で泳いだり、雨に濡れるだけでは、体表で被ばくはしますが、DNAの水素原子がトリチウム原子で置き換わるほどの恐れは殆どないでしょう。

「皮膚からも吸収されることがある」くらいがよいのではないでしょうか。
銅線は電子がとても移動しやすい物質ですね。直径1ミリの銅線に1アンペアの電流を流すとき、電子は銅線の中を1時間で1ミリくらい移動します。1ミリくらいしか移動しません。1アンペアとはかなり大きな電流で、たとえば、100ボルトの家庭用の電線に100ワットの電球を灯すときの電流が1アンペアです。電気は1秒間に30万キロメートル流れるのですが、実は、個々の電子はたとえ銅線の中でもごくゆっくりとしか移動しません。
 トリチウムは電子を放ちますが、皮膚についた電子が必然的に体内に取り込まれるわけでありません。
 ただ、皮膚に対しては、付着しても乾燥したり外に飛散したりしないように、たとえば塗り薬のように何時間も何日も一か所に固定しておけば電子も拡散の力で皮膚に取り込まれますが、そうしなければ、付着しても乾燥したり外に飛散したりして皮膚から離れてしまいます。

ICRPは、1928年にカナダに設立された国際学術会議で本部はオタワにあります。WHO、IAEAなどが「助成金」を出しています。
WHOは国連の「直接」の機関で、人が健康に生きる権利を基本的人権の一つとしてこれを守るために設立されています。
IAEAは国連の「傘下」の機関で、米英仏中露以外の国が核兵器をもたないように監視することと、原子力を推進することの二つの目的をもっています。
ICRPは、助成金の出資者であるWHOのために放射能の安全性に関する科学的提言をします。IAEAは、また、助成金の出資者であるIAEAのために原子力推進のために政治的提言をします。
ICRPは、そのように侮れない二面性をもっています。
これに対して、欧州放射線リスク委員会(ECRR)はベルギーに本部を置く市民団体です。ICRPの科学的権威に次ぐと考えられる権威をもっています。
ICRPが放射能の安全性に関する提言をするのに対して、ECRRは政治とカネから独立した立場で放射能の危険性に関する提言をするので、私はECRRはICRPより信頼できると感じています。
ICRPもECRRも放射能の影響について「直線説」をとっています。
トリチウムも海に流されて蒸発し雨となって降ってくると、経口的にも吸気からも体内に取り込まれます。そして当然皮膚からも吸収されるでしょう。ヒトはそのような動物です。
ヒトはトリチウムが含まれる水を飲み、トリチウムが含まれる物を食べ、トリチウムが含まれる蒸気を吸い込みます。それは逃れようがありません。食べたり吸い込んだりしたものはすべて体内に入ってしまうからです。ただ、トリチウムを水として飲んだり蒸気として吸い込んだりしてすべてのトリチウムが体内に入るのとは異なって、皮膚をトリチウムの雨にぬらすだけでそのトリチウムを雨が乾かないうちにすべて体内に侵入させるのは困難です。でも、ある割合で侵入はします。
ヒトは吸収されたトリチウムの電子線放出によって内部で、あるいは外部からの電子線照射によって被ばくします。直線説によって、ここまでなら安全ということはなく、どんなに微量でも被ばくの影響を受けます。

放射能の発見の時代に科学者が被ばく死することが多く、1924年に国際放射線医学会議(ICR)が開催され、1928年に国際X線およびラジウム防護委員会(IXRPC)を設立しましたが、1950年にICRは現在ICRPに名称を変更しました。

他にも、東電福島原発から漏れ続けるトリチウムのリスクについては、入口先生からは度々ご教示頂いております。

熊本大学入口名誉教授から「トリチウムから逃れるすべはありません。トリチウムの危険性は、セシウム137、ストロンチウム90が食品、吸気から体内に取り込まれるのに比べると小さいです(それほどセシウム137、ストロンチウム90の危険性の方が大きいです)。トリチウムについて、我われが本当に危惧しなければならないのは、福島原発の今よりも、近く六ケ所村が稼働するときです。」
https://megsinginglalala.blogspot.com/2015/08/blog-post.html?m=0
トリチウムについて熊本大学名誉教授入口先生からお話を伺いました。「トリチウムを福島沖に投棄すると、 蒸発して北半球の偏西風に乗り、雨滴となって降って来ます。」
https://megsinginglalala.blogspot.com/2015/04/blog-post_20.html?m=0

私(このブログ主)がこのブログを書いた頃、入口先生にトリチウムのことをご相談したきっかけになった、私の個人ブログの読者がいらっしゃるんですが、
実は今日、彼女と電話で話したんです。
そして、彼女からメールが来ました。
許可を頂いたのでお伝えします。

「私、あの水蒸気、臨界騒ぎの中、娘が雨に濡れて帰ってきた後、ストレスで私は帯状疱疹になってしまったんですよ!今にも皆、死んでしまうようなこと言って騒いでいたけど、残念ながら皆生きてるよ!って言いたいわ。
あの時は変な福一の靄の映像が流されて「今やだれも福一には近づけない」とか言って。今も作業してるじゃないですかね。
入口先生はあの映像が録画を早回ししたものだと教えて下さいましたよね。
メグさんは福一のそばに住んでいる人に確認してそれが海霧だと確認してくれて(私はTwitterやFacebookで、福島原発のそばに住んでる人と繋がってます。)
遠くに住んでいるやつが面白半分にあーだ、こーだ言ってホントに頭にきた。だからもう何言われても信用しない!なんか言うなら自分の身銭切って、足使って目で確認してから言えって」

このように、福一が危険だと承知でも、東日本から逃れられない人たちは、Twitter上で匿名の人たちが「無責任に不用意に」リスクを煽って騒ぐと、人によっては過大な精神的なストレスになって体調崩すんです。
なので、全部が全部放射能のせいにするのはおかしいと思います。(これは、ブログ主である私も、東電福島原発放射能事故後7年に及ぶ家族から離れて単身の移住生活の中で感じたことです。今でも、勿論放射能が怖いです。だけど、そのことで自分に必要以上に精神的ストレスをかけて、それが自分の健康に良くないと言うことも、身を持って感じました。)

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