2014年5月24日土曜日

【厳重注意】農薬空中散布の時期になりました。PM2.5と放射性物質との混合汚染が心配です

【厳重注意】子供の場合は脳・神経系が発達期にあるため一層影響を受けやすく、これらの影響は、場合によっては生涯にわたる不可逆な障害となることが分かっています。



「有機リン系農薬散布と放射脳汚染は何か関係」
農薬による中毒症状と、内部被ばくの初期症状はとてもよく似てるんです。
こちらのブログ主さん上手にまとめてらっしゃいます。
http://kitanoyamajirou.hatenablog.com/entry/20120212/1329009711

危険な有機リン系の農薬を空から頭の上から撒かれていたり、福島原発で異常事態があっても、何日もその事実を伝えられなかったり、
そんな環境の中で、どう考えても、原因が思いつかないような身体症状が起きたときは、まずは化学物質の中毒を疑って、解毒と、出来ることなら、その悪環境から空気のいい場所へ離れて保養するといった方法を取ることを私は家族に強く勧め続けています。
抗アレルギー剤などを常用していると、気が付けないことが多いと思います。
だって、症状が出るのをお薬で抑えているわけですから。
子供の場合は脳・神経系が発達期にあるため一層影響を受けやすく、これらの影響は、場合によっては生涯にわたる不可逆な障害となることが分かっています。
 (詳しくは、この後に長文で書かれてます。是非ともお時間を作って読んでください。我が子を守るためです。
もしかして、うちの子は化学物質過敏症じゃないから、反応もなかったり、平気平気とか、まーだ他人ごとに思ってんじゃないですか?
反応が出たら解るから逃げれるんですよ。
反応がでない子は体に知らないうちに取り込んでるんですよ。

大事なお受験戦争にも勝てないオツムにされちゃうかもよ!

群馬県ではこんなことが過去にありました。

https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjx88kp-0DlofORuGZkON-pztFf9NNKJQD02HVIEPaZsaMPS_D0h_dtq8so7n1nJ6OTHWIiVIlVSf1a9Va9bvzajqxZRt5Q7BZASnvaU2YCOdimj7BTujYjrimmXm1028_iHfT8zMW_SWk/s1600/mainichi.jpg

農薬空中散布:県、市町村へ連絡怠る 中学生ら数人診察−−高崎・甘楽 /群馬
毎日新聞 2013年06月19日 地方版

 ◇きょうのゴルフ場散布中止

 高崎市と甘楽町でゴルフ場を経営する業者が今月中旬に農薬を空中散布した際、県が市町村や医師会への事前連絡を怠ったため、住民への広報がなかったことが18日分かった。住民からは「頭痛やめまいがする」「知っていたら窓を閉めたのに」など苦情があり、小、中学生数人が医療機関の診察を受けた。これを受け、業者は19日に藤岡市のゴルフ場で予定していた空中散布を中止した。【奥山はるな、塩田彩】

 県技術支援課の吉野努・生産環境室長によると、業者から今月6日、農薬の空中散布計画が提出された。12日に高崎市、13日に甘楽町、19日に藤岡市で、松の害虫を駆除するネオニコチノイド系の農薬「チアクロプリド」を空中散布するという内容で、県は10日に了承したが、市町村や医師会に連絡したのは14日。すでに高崎市、甘楽町での散布は行われていた。

 吉野室長は「本来であれば事前に連絡すべきだったが、事務処理に時間がかかり、遅れてしまった」とミスを認めた。ゴルフ場を経営する業者は10日ごろに農薬散布計画を地元自治会などを通じて回覧板などで知らせたという。

 しかし、市町村を経由しないため、防災無線やメールなどは使えず情報提供は限定的だったという。


14日までに、空中散布した地域の数人が、診察に訪れた青山内科小児科医院(前橋市)の青山美子医師は「患者はネオニコチノイド系農薬の典型的な中毒症状と一致した。空中散布は、地上よりも濃度を高くした農薬がシャワー状にまかれ、霧となって飛散する。県が事前連絡をしなかったのは非常識だ」と批判している。

 今回使われたチアクロプリドの希釈濃度は20倍で、適法とされているが、地上では100〜200倍に希釈すべきだと定められている。

我が子がこんなことになっても平気ですか?


 先ずは、有機リン系農薬が小寺元県知事の時に、

何故、空中散布を群馬県で自粛されたのか、知ってください。

平にお願いしますから。

調べてみましたところ、群馬県小寺前知事が農薬空中散布を止めるきっかけになった『環境病患者の会』山田幸江さんの手紙「有機リン化合物の健康被害に対する早急な対策のお願い」
こちらに見事にまで当時の小寺県知事を納得させたお手紙があります。

http://www.k5.dion.ne.jp/~kanky-pa/seigan.pdf 

携帯用リンク http://www.google.com/gwt/x?gl=JP&hl=ja-JP&u=http%3A%2F%2Fwww.k5.dion.ne.jp%2F~kanky-pa%2Fseigan.pdf&client=ms-kddi-gws-jp&source=sg&q=%E3%80%8E%E7%92%B0%E5%A2%83%E7%97%85%E6%82%A3%E8%80%85%E3%81%AE%E4%BC%9A%E3%80%8F+%E5%B1%B1%E7%94%B0%E5%B9%B8%E6%B1%9F

ネット環境でリンクにアクセスできない方のダメに、以下に転載します。

内閣総理大臣 安倍晋三殿

環境病患者会代表 山田幸江

要望書

「有機リン化合物の健康被害に対する早急な対策のお願い」

総理大臣におかれましては、国民のためにご尽力を賜り心から感謝御礼申し上げます。

さて、有機リン化合物については、本年、国会でも問題として質問され、マスメディア等で頻繁に報道されております。当会では、有機リン化合物が有害化学物質の中でも最も深刻な健康被害を引き起こしている実態から、有機リンの規制について関係省庁にお願いしてまいりました。そして、今秋、「我が国で規制が出来るのは内閣総理大臣よりほかにお
りません」とお伺い致しました。つきましては、大変失礼とは存じながら、このような要望書を差し上げますことをどうぞお許し下さい。
各省庁におかれましては、化学物質による健康被害の対策にご尽力頂いておるところで御座います。しかしながら、いまだ規制がなされていない有機リン化合物による慢性の健康被害は、非常に深刻かつ広範囲で、専門家は有機リン系農薬の慢性中毒の臨床像として、次のような可能性を指摘しています。

・ 化学物質過敏症の主たる発症原因となっている

・ 神経発達障害、特に小児の神経発達に悪影響を及ぼす

・ うつ病や神経・精神の症状の発症に関連する

・ 眼毒性による視力障害を来す

・ 免疫系の活性を低下ないし修飾する 他

こうしたことが、患者の心身に現実に起きております。

本年、有機リンの健康被害は国会でも取り上げれ、公明党の加藤修一議員により参議院 164 回国会 11 号・3 月の予算委員会「有害化学物質問題」及び、20 号・6 月の環境委員会「有機リン系化学物質による被害防止対策に関する件」で、脳に深刻な悪影響を及ぼす健康問題として質疑されましたが、いまだ被害者の救済や予防に向けた動きには至っておりません。

有機リンによる健康障害の患者は、上記のようにその症状が多岐に渡り、しかも医療機関に当疾患が周知されていないため、心療内科や精神科を受診や紹介されるケースが多く、似通った症状のさまざまな病名で診断されました。そして、解毒治療や原因物質を避けるなどの適切な処置の機会を失い悪化した経緯を体験しています。この健康被害は、すでに農村部・都市部を問わず全国に広がっており、微量の曝露で症状が発現する重症者の数も増加の一途をたどっています。よって、これから調査研究を行ったのでは、さらなる人的被害の増大を招くことが予想されます。これ以上犠牲者を出さないために、そして、すでに発症した人たちも希望を持って社会復帰できますように、以下4点の早急な対策をなにとぞよろしくお願い申し上げます。

1.有機リン系化合物及び類似物質の原則使用禁止のお願い

2.農薬など、人体に有害な化学物質の広域・大量散布の禁止のお願い

3.化学物質による健康被害に迅速に対応する政府窓口の設置のお願い

(アスベスト対策委員会と同様の、化学物質一般による健康被害に対応する常設の政

府機関の設置)

4.有機リンなど有害化学物質の急性中毒・慢性中毒に伴う「化学物質過敏症」の保険適

用と医療機関に対する情報周知のお願い

以下にその内容の詳細を記述いたします。何卒、現状をお汲み取り頂き、添付資料をご査収の上、最新の学術的知見に基づき、「第3次環境基本計画」の予防的措置等により早急な対策を取っていただけますよう切にお願い申し上げます。



患者の実態

実際に症状が出ていても、普通は自分が有機リンの影響を受けていることすら分かりません。多くの病院では、通常の検査方法では異常が発見されにくいため、患者はさまざまな診療科を回っております。有機リンの慢性影響は、非常に多彩で、曝露した濃度や体質によっても変わります。

軽度の場合:風邪症状を現す人や頭痛、肩こり、腹痛、下痢、めまい、自律神経失調症、物忘れ、イライラ、気がめいる、やる気がおきない、疲れが取れない、花粉症などアレルギーの発症・悪化や睡眠障害などいわゆる体調不良の状態です。

重症化した場合:起立性調節障害をはじめ、慢性疲労症候群、認知症、統合失調症、うつ病、パニック障害、更年期障害、メニエル症候群等さまざまな病名で診断されています。

そして、回復をしないので、病院を転々とする結果ますます重症化しています。

特に深刻なのは、学力低下や不登校、引きこもり、ニート、また感情のコントロールができなくなるのでキレたり、DV・虐待をも起こし、家族も理解できないため、離婚など家庭が崩壊する場合もあります。周囲からは心の問題であると思い込まれ、「気合が足りない」「だらしない」とか、「育て方が悪い」等あらゆる言葉で責められたりしており、また、働けなくなるので、失業・果ては自殺など深刻な事態の原因となっています。

有機リンの怖いところは、低用量の曝露で発作的に自殺したくなったり、攻撃的になったり、性格が変わったりすることです。また、外見から見て分からないので、苦痛を大げさに表現しているのではないかと疑われる場合もあります。この精神症状の治療は精神科の治療薬では治りません。実際に、有機リンを始めとした有害化学物質の回避と解毒治療によって初めて改善しています。全国にこの診断治療ができるところは増えつつありますが、まだ数少ないのが実情です。

1.有機リン系化合物及び類似物質の原則使用禁止のお願い

有機リンの最新の学術的知見:詳細は別紙に記します

有機リンは、サリンなど化学兵器として用いられる神経毒ガスと類似の作用を有する無色、無味、無臭の神経毒物ですが、弱毒化することで殺虫剤として用いられ、また合成が比較的容易かつ安価で、プラスチックなどに添加することにより難燃性、可塑性を発揮するため、臭素系難燃剤(燃やすとダイオキシンが発生する)の代替物として近年使用が激増しています。

有機リン化合物(農薬・殺虫剤、プラスチックや繊維の難燃剤、床用ワックスの可塑剤などに用いられる)は別表のように多彩な用途に使われており、誰もが気づかないうちに日常的に長期/反復微量曝露を受け、個人の意思では曝露を避けきれない状況が発生しています。

有機リンに対する感受性は、アルコール同様個人差が非常に大きく、また、脳神経が発達途上の子供への影響が大きいため、ハイリスクグループの人たちは大きな危険にさらされております。中でも 1)農薬の空中散布など広域大量散布 2)公園・街路樹・庭・学校など住宅地の農薬散布 3)シロアリ防除(クロルピリホスなど有機リン剤既使用の建物が多数残存) 4)ハエ・カ・ゴキブリなど衛生害虫駆除 5)コンピュータなど OA 機

器や建材、床用ワックスから出る有機リン系難燃剤 の五つが、有機リン慢性中毒とそれに伴う重い化学物質過敏症の原因となっています。化学物質過敏症を一旦発症すると完治は困難で、ごく微量の有機リンの曝露で深刻な中毒症状や、中にはショック症状を起こす場合もあり、わずかでも有機リンがある限り症状が出て社会生活を営めなくなっており、大変な困難に直面しています。

さらに、有機リンは喘息、アトピー、花粉症、不妊、虚血性心疾患、うつ、記憶障害、多動等、多くの疾患の要因となることが最新の多数の学術研究により明らかにされました。
この分野の調査研究を行った、国際的にも著名な専門家らは、豊富な臨床例と徹底した文献調査により、「平成 15 年度厚生労働科学研究補助金 微量化学物質によるシックハウス症候群の病態解明、診断、治療対策に関する研究」の報告書の中で、「有機リン化合物は神経、免疫、内分泌と広範に障害をもたらすことは、世界共通の認識事項となってきている。特に小児や妊娠初期への影響は未来に重大な問題を引起す可能性を有している」とし、6 年間に亘る同研究報告で、有機リンや類似のカーバメートは即刻規制(使用停止)すべきで
あると結論しています。こうした科学的知見は患者の実態そのものです。特に、未来を担う教育現場では新築や改築・改装、コンピュータ使用、ワックスがけや樹木消毒・除草剤をはじめ、日常的に有機リンなどの有害化学物質に曝されているため、記憶力や判断力が低下し、LD(記憶障害)、ADHD(注意欠陥多動障害)の症状を発現し、いじめにあったり、不登校や引きこもりになったりといった事態(シックスクール)が多発しております。欧州連合では、こうした知見により有機リン系農薬に対して非常に強い規制が取られつつあり、難燃剤についても調査が進められ、欧米企業の間では、自主規制により有害物質としてこれを排除する具体的な動きがすでに出始めております。これらの事実をなにとぞご理解、ご配慮いただき、一般市民や子供たちがこれ以上有機リン化合物や類似の神経毒物に曝されることなく生活できるように、一刻も早く対策を取っていただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

2.農薬などの、広域・大量散布の禁止のお願い

(1)空中散布禁止のお願い

農薬散布による一般市民の健康被害の中でも、特に重大な被害を引き起こしているのが、有人・無人ヘリコプターによる空中散布と松くい虫予防のための山林への広域大量散布です。
平成17年、群馬県議会に当会が提出した「農薬及び薬剤による健康被害についての請願」の「有機リン及び類似物質の規制のお願い」が、趣旨採択されました 1)。そして、平成18年、群馬県では、「有機リン系農薬のラジコンヘリによる空中散布」は、知事の自粛要請により、有機リンによる空中散布はなくなり、空中散布を実施する地域が激減しました。その結果は米の収穫量には影響はなく、深刻な健康被害は大幅に縮小しました。
空中散布はこのように、多くの人々に甚大な健康被害をもたらしています。国として、禁止していただけますよう、お願い申し上げます。
欧州委員会では、平成 18 年 7 月12日の発表で、農薬(殺虫剤・除草剤・殺菌剤)の使用は人の健康と環境の両方に脅威を及ぼすことが認識され、これらの重大な関心事に対応するために、EU 全土において農薬の使用方法を改善することを目的とした新しい戦略を採択し、空中散布は原則中止を決定しています。

(2)松くい虫予防散布の施策転換のお願い

松くい虫予防散布のために、有機リンの空中散布や地上からの大型散布機による大量散布が行われてきました。松くい虫予防散布の薬剤により、近隣の住民の間で、喘息発作や呼吸困難が発生しています。また、有機リンの代替物として最近使われ始めたネオニコチノイド系薬剤は難分解性 2) で環境中に拡散・残留し、特に子供の心臓に悪影響を及ぼし、生命に関わりかねない深刻な健康被害が起きております 3)。松の保護対策は、予防散布に頼らない施策への転換をお願い申し上げます。

3.化学物質による健康被害に迅速に対応する政府窓口の設置のお願い

現在、医薬品をのぞき化学物質による第三者の健康被害について、被害の申告を受け付ける窓口および情報を収集し、対策を検討・施行する権限をもつ政府機関がありません。

アスベストのように対策が遅れることのないように、当該化学物質をはじめ、有害化学物質の使用中止や勧告できる権限を有した省庁間の枠組みを越えた常設の政府機関の設置を切望いたします。

4.低用量曝露による疾患の保険適用と情報整備のお願い

有機リンは、化学物質過敏症の発症の原因物質で、こうしたケースでの有害化学物質の曝露と症状の発現の関連も明らかになってきております。

現在、日本では「化学物質過敏症」は未解明な部分が多いとして、保険適用されていませんが、化学物質過敏症は、WHO が ICD-10(国際的病名分類 1999 年版)に告知し、ドイツでは 2001 年にその病名を採用しています。

病名が認知されないことによる弊害は、治療薬が製造中止になることにまで及んでいます。こうしたことから、低用量曝露による疾患の病名に対する保険適用と情報の整備は、患者救済とともに更なる発症を防ぎ、病態の社会的理解と対策を得るために、最も必要であると考えます。

現代の新たな疾患である化学物質過敏症の保険適用と医療機関への情報の周知徹底を切望いたします。

終わりに:

なにとぞ患者の実態をご理解頂き、有機リン化合物の禁止をはじめとした対策に早急に着手していただけますよう、そしてまた、日本の企業が今後、安全な商品の開発を進めるように、国として推進・奨励をしていただけますよう、切に切にお願い申し上げます。

以上

参考資料

1)平成17年5月20日、群馬県議会「農薬及び薬剤による健康被害についての請願」

と請願結果

2)モスピラン SL 液剤、日本農薬(株)製品安全データシート

3)平久美子「2005 年に一定地域のネオニコチノイド系及び有機リン系殺虫剤散布後自覚症状を訴え受診した患者の心電図所見とその季節変動」2006.7.7.第 15 回 日本臨床環境医学会総会

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別紙

有機リン化合物による慢性健康障害:実態と最新の学術的知見の有機リン系農薬・殺虫剤は本来、野外での単発的な使用を想定して開発されたもので、戸外では、紫外線や雨により短期間に容易に分解し、体内でも速やかに分解するとされたため、慢性中毒についてはほとんど注意が払われて来なかった。有機リン系農薬の登録・認可に於ける安全評価の対象としては、単発的な使用条件下で、急性毒性の主役であり昆虫や脊椎動物を死に至らしめるアセチルコリンエステラーゼ阻害作用、および遅発性神経マヒの原因となるNTE(神経障害標的エステラーゼ)阻害作用を中心に審査が行われてきた。しかし、慢性毒性曝露でおこる近年特に問題になっている精神症状を引起す高脳次機能に対する悪影響などについては検討されていない。さらに、その他の用途の有機リン化合物(難燃剤、可塑剤など)については、揮発しないと考えられたため、人体に入った場合の危険性についてほとんど検討されないまま、コンピューター、家電製品、建材等の添加剤として商品化が進んでいる。

一方、欧米では 1991 年のペルシャ湾岸戦争帰還兵の間で、遅発性・慢性の精神・神経障害が多発し、原因物質として有機リン系殺虫剤および塩素を含む殺虫剤のペルメトリンが特定されたことから、有機リン化合物の慢性毒性に対する学術的研究が飛躍的に進み、長期低用量/微量曝露により、急性中毒とは異なった作用機序による重大な健康障害が生じる事実が明らかになってきた。こうした結果を受け欧米各国では有機リン剤に対する規制の強化や失効といった措置が次々に取られつつある。

わが国では、農地単位面積当たりの農薬使用量が欧米の約7倍(OECD 調べ)にのぼり、さらに農地と住宅地が混在する中でラジコンヘリによる超高濃度農薬散布が行われ、また街路樹、公園、学校等の慣行的散布、松枯れ対策としての山林への大量散布、加えて屋内では、畳の防ダニ、シロアリ防除、ビルの害虫駆除、交通機関の車内定期散布など、農薬・殺虫剤への過信を背景に、日常的に有機リンを中心とした農薬・殺虫剤が汎用されている。その結果、都市部である東京都内でもほとんどの地点で1年間を通じ大気中から有機リン系農薬が検出されるなど、汚染は国内全域におよんでおり、特に有機リンの使用が拡大した80年代後半以降、有機リン化合物によるシックハウス症候群、有機リン慢性中毒、有機リンによる化学物質過敏性といった健康被害が、農村部、都市部を問わず発生し続けている。また、難燃剤・可塑剤のリン酸エステル類についてもドイツや日本(東京都衛生研)の研究により、相当量が揮発し、またダストとなって室内空気を汚染していることが示され、実際に有機リン系難燃剤が直接の発症原因とみられる有機リン慢性中毒・化学物質過敏症患者も発生している(環境病患者会調べ)。こうした被害者の健康障害は非常に深刻なケースも多いことから、マスコミでも取り上げられるようになり、有機リン禍に対する社会的な認知は少しづつ広がり始めている。

さらに、ここ数年の海外における学術研究により、有機リン化合物の慢性毒性のメカニズム

が分子レベルで解明され、有機リンは慢性中毒や有機リンによる化学物質過敏症を発症させる

だけでなく、脳・神経系、免疫系、循環器系、生殖系、内分泌系(ホルモン系)、遺伝毒性、催

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奇性など、全身に代謝不全による強い悪影響を及ぼし、アレルギー、花粉症、喘息、虚血性心疾患、不妊、ガン、先天異常、うつ、情緒障害、多動学習障害、パーキンソン病など多くの疾病の原因もしくは発症・悪化因子となることが明らかになった。これらの研究を国内に紹介した専門家・有識者らは、農薬・殺虫剤、難燃剤・可塑剤を含めたすべての有機リン化合物(リン酸エステル類)に対して、室内および住宅地周辺等における使用の全廃を強く提言している。

有機リン慢性中毒、有機リンによる化学物質過敏症の概要(国内外の資料・学術論文からl  慢性有機リン中毒の症状は、主に自律神経症状、中枢および末梢神経症状、精神症状があげられる 1)。これらの症状は、一般の医療機関を受診しても有機リンとの関連が見落とされることがほとんどで、起立性調整障害、神経症、うつ病等と診断されていることが多い

1)。実際に患者の多くが、初期・軽症の段階では自律神経失調症、眼科疾患、メニエル症

候群、更年期、うつ、パニック障害、不安神経症等の診断を受けて、いくつもの病院を転々とし、その後、化学物質に過敏な症状が始まり、相当悪化して初めて専門医にたどり着くといった病歴を持っている(環境病患者会調べ)。また、一人の患者が見つかると、その知人、友人に似たような体調の人が数人から 7,8 人見つかり、受診してみることで有機リンによる障害とわかるといった状況である。従って、潜在的な患者数は、相当数に上ると思われる (環境病患者会調べ)。

l  有機リンそのものは体内での分解が早く、蓄積しないが、長期低用量曝露により有機リンによる酵素の阻害が続くと、その酵素に本来分解・生成されるべき生理活性物質の過剰や欠乏が生じる。こうして微量の曝露でも酵素の阻害の蓄積により、慢性障害が起こる 2)。

l  有機リンは、アセチルコリンエステラーゼやNTEだけでなく、体内の非常に多くの酵素

(セリン加水分解酵素と呼ばれるグループで、体内の酵素の多くが該当する)を阻害する

ことで、多様で深刻な身体・精神症状を引き起こす 1,2) 。

l  有機リンに対する感受性は、個人差が非常に大きい。その理由のひとつとして、有機リン

を分解する酵素の活性の差があげられる。この酵素活性の差は、強いタイプと弱いタイプ

では、2001 年の研究報告で、10 倍以上 2)、さらに 2005 年の Furlong らによる研究報告

では40倍にのぼることが明らかになった 4)。また、弱いタイプが人口の相当数の割合を

占めており 2)、こうした人達が、ハイリスクグループとなっていると考えられる。

l  従来、有機リン系農薬・殺虫剤による中毒の指標としては血球中アセチルコリンエステラ

ーゼ活性の低下が用いられているが、石川らによれば、慢性中毒では有意の血球中アセチ

ルコリンエステラーゼ活性低下が起こらないケースがほとんどであり、有機リン慢性中毒

の指標とはならない 6)。診断基準としては、問診による自覚症状、有機リンの曝露歴、抗

コリン剤によく反応し症状が改善すること 1)、および電子瞳孔計による、光に対する瞳孔

反応の検査 6) が有効である。

l  有機リン慢性中毒を発症した患者の7割以上が、後遺障害の有機リンによる化学物質過敏

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症(有機リンに対する過敏症や多種類化学物質過敏症)を発症している 5)。

l  有機リン慢性中毒、有機リンによる化学物質過敏症の治療の根本は、有機リンから離れる

ことである 1)。しかし、日本の現状では、この最も簡単で一番必要なことが不可能となっ

ており、患者は十分な回復の機会を奪われ、日常生活に支障をきたしている例が非常に多

い(環境病患者会調べ)。

l  有機リンによる化学物質過敏症を発症した場合、微量の化学物質に曝露しただけで症状が発現する。また、家のすぐそばで有機リン農薬を散布されたり、散布後間もない電車に乗ったりすると、生命にかかわりかねないような重篤な症状を引き起こすことがよくある。

この場合、主な症状としては、頻脈、徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸困難などがあげられ、大変危険な状態である 5)。実際に、有機リンの気中濃度がナノグラム/m 3 のレベルでもほとんどの患者が有機リン慢性中毒の症状を発現し、また近隣の農薬散布などに会った場合には、救急車を呼ばなければならないくらいの重い症状を体験している(環境病患者調べ)。

l  国立公衆衛生院(現・国立保健医療科学院)の調査によれば、日本国内の成人の 0.74%が化学物質過敏症の可能性が高いことがわかっている。これは、子供も含めれば約100万人の国民が化学物質過敏症を発症していると考えられ、実際には本人に病気の自覚がなかったり、誤った診断をされている患者が多数潜在していると思われる 7)。

l  シックハウス症候群・化学物質過敏症の 3 大発症原因物質として、有機リン化合物、ホルムアルデヒド、有機溶媒があげられるが、この中でも、極めて微量で作用し、しかも長期に症状を残し、精神症状を呈しやすいのが有機リンである 3)。先の調査結果と合わせて考えれば、少なくとも数十万人にのぼる国民が、有機リン系農薬・殺虫剤による直接的な健康被害を被っているものと推定できる。

l  有機リン化合物は、カルボキシルエステラーゼ、ブチリルコリンエステラーゼなど体内に侵入した有害化学物質を解毒する酵素を強く阻害する。このことにより、有害化学物質を十分に分解・排出できなくなり、その結果、化学物質過敏症を発症すると考えられる 2)。

l  有機リンの影響下や曝露暦のある人が、同じアセチルコリン神経伝達系の受容体側に作用するネオニコチノイド系農薬殺虫剤に曝露した場合、微量/低用量の曝露であっても、心臓に不整脈など強い症状が現れるケースがあることが見出されている 6)。従って、有機リン系農薬に多くの国民が曝露歴を持つわが国では、ネオニコチノイド系農薬の使用は、大きな危険が伴うと考えるべきである。また、カーバメート系農薬についても、神経系に対して有機リンに類似した作用を持つことから、有機リンと同様な配慮が必要である。実際に、ほとんどの有機リンによる化学物質過敏症発症者は、カーバメートにも強い過敏反応を示す例がほとんどである(環境病患者会調べ)。

新たに報告された、一般的な有機リンの慢性毒性の概要(内外の学術論文から)

l  精神・神経毒性:リン酸エステル類は、思考力、記憶力、情動といった脳高次機能に深く関与する物質代謝に深刻な悪影響をおよぼす。その結果生じる現在知られている症状としては、記憶障害、知力低下、うつ、統合失調症類似症状、低体温、無痛覚症状、運動の協調性喪失、傾眠、摂食障害(過食や拒食)等がある。また、パーキンソン病との因果関係がほぼ証明されている。小児の多動や情緒発達の問題を引き起こす可能性も指摘されている

2,3) 。

l  循環器系:リン酸エステル類が虚血性心疾患のはっきりした発症・悪化因子となることが

示された 2)。

l  免疫毒性:リン酸エステル類は、気管支喘息の発症・悪化因子となる。 3) また、花粉症、アレルギーについても同様である 1)。

l  内分泌毒性:リン酸エステル類は、抗男性ホルモン作用を示し、精子の活動意欲低下睾丸体積の縮小を引き起こす 3)。

l  生殖・発達毒性:リン酸エステル類は、胎児の胎内発達遅延の因子となる。また、動物実験で有機リンの神経毒性に対する感受性が、小児は成獣の 1.8~5.1 倍高いことがわかった 3)。

これらの研究報告は、現在、日本でおこっている様々な社会現象とよく合致している。

参考資料

1)石川哲「有機リンの慢性中毒」Scientific American、1、68—82 (1978)。

2)石川哲 「平成 15 年度厚生労働科学研究補助金 微量化学物質によるシックハウス症候群の病態解明、診断、治療対策に関する研究」報告書。

3)石川哲「平成 16 年度厚生労働科学研究補助金 微量化学物質によるシックハウス症候群の病態解明、診断、治療対策に関する研究」報告書。

4)C. E. Furlong ら、「Modulation of paraoxonase (PON1) activity 」Biochemical

Pharmacology, 69, 541—550 (2005)。

5)青山美子「農薬および難燃剤として用いられている有機リン化合物による慢性中毒の実態

と治療」シックハウス対策の最新動向、NTS、329—354 (2005)。

6)青山美子「アセチルコリン神経伝達系に作用する農薬の長期・低用量曝露による健康被害

の実態と対策の課題」有機農業研究年報、5、108—124 (2005)。

7)毎日新聞、1 面、2003 年 1 月 12 日。

注:提出書P4、2 の(1)の記述に誤りがあり一部訂正しました

以上転載


各省庁におかれましては、化学物質による健康被害の対策にご尽力頂いておるところで御座います。しかしながら、いまだ規制がなされていない有機リン化合物による慢性の健康被害は、非常に深刻かつ広範囲で、専門家は有機リン系農薬の慢性中毒の臨床像として、次のような可能性を指摘しています。

・ 化学物質過敏症の主たる発症原因となっている

・ 神経発達障害、特に小児の神経発達に悪影響を及ぼす

・ うつ病や神経・精神の症状の発症に関連する


・ 眼毒性による視力障害を来す


・ 免疫系の活性を低下ないし修飾する 他


様々な慢性疾患の要因になることが、平成15年~17年の厚生労働省の研究班による報告で明らかになりました。
子供の場合は脳・神経系が発達期にあるため一層影響を受けやすく、これらの影響は、場合によっては生涯にわたる不可逆な障害となることが分かっています。

http://www.k5.dion.ne.jp/~kanky-pa/about_us.html

どうぞまだ幼い子供たちの健康を守るために、慎重な調査を平にお願い申し上げます。


環境病患者会について (今はサイトが無くなってますね)
www.k5.dion.ne.jp

携帯用リンク http://www.google.com/gwt/x?gl=JP&hl=ja-JP&u=http%3A%2F%2Fwww.k5.dion.ne.jp%2F~kanky-pa%2Fabout_us.html&client=ms-kddi-gws-jp&source=sg&q=%E3%80%8E%E7%92%B0%E5%A2%83%E7%97%85%E6%82%A3%E8%80%85%E3%81%AE%E4%BC%9A%E3%80%8F%E5%B1%B1%E7%94%B0%E5%B9%B8%E6%B1%9F

環境病患者会は、専門の医療機関によって、有機リン慢性中毒、シックハウス症候群、化学物質過敏症の診断を受けた患者の会です。

有機リン慢性中毒などについて

 有機リン化合物は、近年の海外における学術研究により、長期微量曝露が重い慢性障害を引き起こすことが判ってきました。すなわち、化学物質を解毒する酵素や生理活性物質の代謝を担う酵素群を阻害することで、有機リン慢性中毒、シックハウス症候群、化学物質過敏症はもとより、喘息をはじめとしたアレルギー疾患の発症・悪化、多様で深刻な神経・精神障害、思考力・記憶力・知力の低下、うつ、統合失調症類似症状、攻撃性などを引き起こし、さらに、動脈硬化、心臓疾患など様々な慢性疾患の要因になることが、平成15年~17年の厚生労働省の研究班による報告で明らかになりました。】

 子供の場合は脳・神経系が発達期にあるため一層影響を受けやすく、これらの影響は、場合によっては生涯にわたる不可逆な障害となることが分かっています。

 子供の場合は脳・神経系が発達期にあるため一層影響を受けやすく、これらの影響は、場合によっては生涯にわたる不可逆な障害となることが分かっています。

アップロード日: 2011/06/13
■アサヒ・コム動画 http://www.asahi.com/video/
東日本大震災で被災した岩手、宮城両県の漁港周辺の避難所が、ハエの大量発生におびえ­ている。感染症の原因にもなりかねないため、がれきに向かって殺虫剤の散布作業が進め­られている。
※「Channel ASAHI」にアップロードされている動画の改ざんや、朝日新聞社の許可なく商用・営­利目的で利用することを禁じます。

http://www.youtube.com/watch?v=bDJWBf1TkcY

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